運営団体
この支援事業は、2013年に設立された「佐賀県外国にルーツを持つ生徒交流を支援する会」という市民団体が運営しています。
佐賀県(市)国際交流協会、佐賀(市)国際交流協会、佐賀(市)県教育委員会と協働で、事業を行っています。
また、佐賀大学のサークル「わーるどりんぐ」の学生が、ボランティアや学習支援員として参加しています。
資金面は、みなさまからの寄付金と、各種財団からの助成金によって運営されています。
事務局メンバー
代表
松下 一世
佐賀大学 教育学部 非常勤教員(元教授)
その他、佐賀女子短期大学、西九州大学、
久留米大学等、精華女子短期大学の非常勤教員
副代表
平田 順次郎
佐賀県 中学校教諭
学習支援チーフ
周 嵐
西九州大学 非常勤講師
会計監査
田中 あや
佐賀県 中学校日本語指導教諭
学生サークル「わーるどりんぐ」の顧問
吉岡 剛彦
佐賀大学 教育学部 教授
アドバイザー
早瀬 郁子
宮崎国際大学 教授
所在地
〒840-0813
佐賀県佐賀市唐人2-5-15
まちなかオフィスTOJIN館 9号
設立の目的
近年、日本では、多くの外国人や外国にルーツを持つ人々が暮らしています。2019年度の調査では、全国の外国人登録者数は約280万人、これは人口の中で約2%にあたります。両親のうちどちらかが外国籍の子どもは30人に一人はいると言われています。
外国にルーツを持つ子どもは、多様です。植民地支配の結果、何世代も前から日本で暮らしている家族の子ども、その中でも日本国籍を取得している人、両親とも外国籍でも日本で生まれ育った子ども、一方の親が日本人で日本国籍を持っている子ども、日本人であっても親の仕事で海外で長期滞在したのち帰国した子ども、親の仕事で海外と行き来している子ども、など、さまざまです。日本に来た年齢によって、日本語が十分でない子どももいれば、逆に、日本語は話せるが、自分のルーツである国の文化や言語を知る機会を持てない子どももいます。
子どもたちの教育課題も、様々です。
佐賀県は他県に比べると、外国にルーツを持つ子どもは少なく、散財地域です。でも、毎年50~70名ほどの子どもが学校で日本語支援を受けています。しかし、実際はその何倍もの子どもたちが支援を必要としています。日常言語は習得できても学習言語は習得するのが難しいと言われています。しかし、集住地域と比べて、支援体制も整ってなく、また、子ども集団の中においても少数であることから、勉強がわからない、いじめを受けても相談できないなど様々な困り感を抱えた子どもがいることが推測されます。コミュニケーションがうまくいかないために、不安や孤立感を抱えている子も少なくないでしょう。
日本社会では、グローバル化の一方で、残念ながら在日外国人に対する偏見や差別、排外主義的な考え方があります。そんな状況で、心無い言葉を投げつけられたりして傷ついている子どもがいます。肌の色の違いや名前の違いによって、からかわれたりいじめられたりすることがあります。自らのルーツを肯定的に捉えられない子どもがいます。
将来に展望が持てる学力を保障すると同時に、母国の言語や文化に誇りを持つ教育も大切です。子どもたちの中で「違いを豊かさ」に変え、ともに生きる力を育む多文化共生の人権教育が求められます。
私たちは、ひとりひとりの子どもが自らの国や民族・文化に誇りを持ち、肯定的なアイデンティティを持てるような教育の環境づくりをめざします。これは、教育を受ける権利として、国籍や人種、民族等の違いにより差別されないという子どもの権利条約とSDGsに基づいています。